「分娩休止」新宮の病院、近大病院から産婦人科医

近畿大学病院から産婦人科医が移籍・派遣される和歌山県の新宮市立医療センター(市提供)
近畿大学病院から産婦人科医が移籍・派遣される和歌山県の新宮市立医療センター(市提供)

和歌山県の新宮市立医療センターが医師の確保が難しく3月1日から産婦人科の分娩(ぶんべん)を休止するとしていた問題で、近畿大学は16日、近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)に勤務している産婦人科医1人が退職してセンターに常勤医として勤務するとともに、週末に病院から非常勤医として産婦人科医1人を派遣すると発表した。センターの担当者は「これで再開に向けて動き出せる」と歓迎した。

ただ、具体的な再開時期について、担当者は「勤務シフトを調整する必要があり、いつからできるかはめどがたっていない」としている。

この日、近畿大学と新宮市の包括連携協定の締結式がオンライン行われ、大学理事長を務める世耕弘成参院議員が連携の取り組みとして明らかにした。

大学によると、常勤医は今年6月からセンターに勤務。非常勤医は月2回程度、1人が金、土、日曜に勤務し、複数の医師が交代であたるという。

これまでセンターには産婦人科の常勤医師が2人いたが、1人が退職することになり、後任医師を確保できないとして昨年11月、分娩を今年3月1日から休止すると発表していた。

センターでは年間約300件の分娩に対応。周辺で分娩対応できる大きな病院は直線でも約30キロ離れた串本町などに位置しており、市には多くの市民から早期再開を求める要望が寄せられていた。

センターの分娩休止の発表を受けて、市は、出産する市民が市外の医療機関に通院する場合、2500円~7千円の交通費を助成する補助制度を設けていた。

世耕氏は「新宮市は人口減にストップがかからない状況が続いており、分娩ができないと一層若い人が定着しなくなり、人口減に拍車がかかる」と述べた。

一方、今後も医師の移籍や派遣が長期継続するかについて、大学の担当者は「まだ決まっていない」と話した。

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