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〝原点回帰〟の戦術も最終カーブに魔物 2連覇逃した女子団体追い抜き

2位となりフラワーセレモニーを終えた(左から)佐藤綾乃、高木美帆、高木菜那=15日、国家スピードスケート館(彦野公太朗撮影)
2位となりフラワーセレモニーを終えた(左から)佐藤綾乃、高木美帆、高木菜那=15日、国家スピードスケート館(彦野公太朗撮影)

15日に行われた北京冬季五輪スピードスケート女子団体追い抜きで、高木美帆(日体大職)高木菜那(日本電産サンキョー)佐藤綾乃(ANA)の日本は連覇を逃し、銀メダルだった。

最終カーブに魔物が潜んでいた。真ん中を滑る佐藤を出口付近でプッシュした最後尾の高木菜がバランスを崩し、踏ん張り切れずに転倒。小さな体が外側のマットにたたきつけられた瞬間、日本の女子団体追い抜き2連覇は霧散した。ゴール後も泣きじゃくる高木菜に駆け寄った妹の美帆は「かける言葉が見つからなくて、そばにいくことしかできなかった」。あまりにも残酷な結末だった。

スタートからきれいな隊列を組んで周回を重ね、リードを奪った。高木美、佐藤、高木菜、高木美と先頭を交代させながら、リードを保ったまま最終周へ。あと約60メートル、2連覇は目前だった。

団体追い抜きは五輪の正式種目となって今回が5回目と歴史が浅い。先頭の交代を一度も行わずに後方の選手が前方の選手を押す、交代を一度だけにする、手をつないで滑る-。前回平昌五輪後、各国は効率のいいレースの組み立てを研究してきた。

日本もいくつかの戦術を試したが、今季のワールドカップ(W杯)で優勝はなかった。危機感から全員が本音をぶつけ合い、最終的に選んだのは、先頭を3回交代する平昌五輪と同じパターンをベースにしたもの。新戦術の習得には時間がなく、転倒や接触の可能性があることも考慮し、自信のある〝原点回帰〟の戦術を選んだはずだった。

だが、悲劇は起きた。高木菜は「転ばなかったら優勝できたかもしれないタイム。やっぱり悔しい」と唇をかんだ。

それでも同じメンバーで戦いを挑み、2大会連続でメダルを獲得したことは称賛されていい。佐藤は「このメンバーじゃないとここまで強くなることはできなかった。すべてが私の誇り」と胸を張った。(橋本謙太郎)

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