「やっぱおかしいなとは思ったし、イライラしていて。でも、いい意味で怒りとともに集中できていたというか…」
発言の主は、北京冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢(あゆむ)(23)。大技を決めながら、得点が思ったほど伸びなかった決勝2本目のランについて問われると、抑制された口調の中に感情がにじみ出た。
各競技会場に設けられている取材エリア「ミックスゾーン」。選手たちは競技を終えた直後、ここに現れるため、喜怒哀楽がほとばしる肉声を聞くことができる。
中国語で「混合区」と表記するミックスゾーンはその名の通り、さまざまな国から来た記者が押し合いへし合いしながら、お目当ての選手からコメントを引き出そうと質問をぶつける。ただ、一方では「高度に階層化されたカースト制度」(米メディア)という実像もある。