【北京=久保まりな】北京冬季五輪フィギュアスケート男子で4位だった羽生結弦(ゆづる)(ANA)が14日、北京で記者会見し、「羽生結弦として、羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら、極めていけたら」と現役続行に前向きな姿勢を示した。次の五輪出場については含みを持たせた。フリーで挑んだクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に今後も挑戦するかについては、「自分の中でまとまっていない」と語り、未定とした。
羽生はこの日、会場の首都体育館近くのリンクで練習を再開し、トリプルアクセル(3回転半)を着氷。終盤にはフリーの「天と地と」の音楽を流し、ステップなどを確認した。
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羽生の主な一問一答は次の通り。
--五輪の演技を振り返っての満足度
「ショートプログラム(SP)は、すごく満足している。最初のジャンプでミスをしてしまったが、その後、崩れずに、世界観を大切にしながら、自分が表現したいことプラス、良いジャンプを跳べた。フリーは、(4回転)サルコーでミスをしてしまったのは悔しいし、アクセルもできれば降りたかった。でも、自分の生きざまというか、それにふさわしい演技だったんじゃないかな」
--4回転半の挑戦は今後も続くか
「まだ、自分の中でまとまっていない。(フリーの)前日の練習で足を痛めて、その程度が思ったよりもひどくて、普通の試合だったら棄権していた。(4回転半は)回転(不足)の判定もあるが、僕の中では、ある意味、納得している。満足した4回転半だった」
--次の目指すところは
「4回転半を降りたいなっていう気持ちは、少なからずある。自分のアクセルが完成しちゃったんじゃないかなって思っている自分もいる。これから先、フィギュアスケートをやっていくとして、どういう演技を目指したいかとか、どういう風に皆さんに見ていただきたいかとか、いろんなことを今考えている。これからも、羽生結弦として、羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら極めていければ」
--この五輪が最後か
「わからない。五輪をやってみて、五輪は特別だなって思った。すごく幸せな気持ち。また滑ってみたい気持ちは、もちろんある」
--2014年ソチ、18年平昌五輪と2連覇し、8年間にわたって金メダルを背負ってきた。それがなくなった今の感情
「とても重かった。重かったからこそ、自分が目指しているフィギュアスケートと4回転半を探求できた。3連覇は消えてしまったし、その重圧からは解放されたかもしれない。でも僕は五輪王者だし、2連覇した。それは誇りを持って、胸を張って、後ろ指をさされないように。明日の自分が、今日を見たときに、胸を張っていられるように、これからも過ごしていきたい」
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リンクで調整する羽生結弦=14日、中国・北京(桐原正道撮影)