小林陵侑、天性の運動能力 ジャンプ男子LH銀

【北京五輪2022】〈スキージャンプ 男子個人ラージヒル決勝〉試技を飛ぶ小林陵侑=12日、国家ジャンプセンター(彦野公太朗撮影)
【北京五輪2022】〈スキージャンプ 男子個人ラージヒル決勝〉試技を飛ぶ小林陵侑=12日、国家ジャンプセンター(彦野公太朗撮影)

金メダリストの意地を見せた。頂点に立ったノルディックスキー・ジャンプ男子個人ノーマルヒル(NH)に続き、ラージヒル(LH)でも銀メダルを獲得した小林陵侑(りょうゆう)(25)。2冠には一歩届かなかったが、9位通過だった予選とは一転、決勝は持ち前の修正力を発揮し、2回とも大ジャンプをそろえた。

「(決勝で)ビッグジャンプを見せられればいい」。LH予選後、小林はこう語っていた。修正を誓った12日の決勝。1回目で142メートルの大ジャンプを見せると、右手で何度も胸をたたき喜びを表現した。2回目に逆転され、惜しくも2位となったが、今大会2つ目のメダル獲得に、「自分ができることはできた」と充実感をあらわにした。

幼いころから自分のイメージ通りに身体を動かす能力は群を抜いていた。

地元・岩手県が実施するトップアスリート育成事業「いわてスーパーキッズ」。小林は小学5年の時、千人以上の応募者から約80人に絞られた狭き門を突破して同事業に選抜され、スキー以外のスポーツにも取り組んだ。

同事業でスキーの指導役を担ったアルベールビル五輪複合団体金メダリストの三ケ田(みかた)礼一さん(55)は、レスリングやラグビー、ボクシングなどに汗を流した小林の「コピー能力」に目を見張った。

タックルやパンチなど不慣れなはずの他競技の技もすぐに覚えて再現。当時は身長130センチ台で、体格こそ他の選手に劣ったが、レスリングの指導者は「世界を目指せる」と転向を熱心に勧誘していた。

松尾中(八幡平(はちまんたい)市)時代はスキー部に加えてサッカー部にも所属し、2年時からフォワードのレギュラーとして活躍した。当時顧問だった山下恭弘(やすひろ)さん(49)は「後方からのパスも柔らかくトラップし、シュートまで持ち込めた。チームのエースといえる存在だった」と振り返る。

ジャンプ以外の競技を選んでも一流になっていた-。周囲の意見は一致する。それでも盛岡中央高校(盛岡市)スキー部の監督として指導した伊東雄一さん(50)は、ジャンプを「陵侑の能力を最大限生かせる競技」と言い切る。風を的確にとらえバランスを保って飛距離につなげるこの種目には、身体の繊細な調整が必須だからだ。

LHでも見せた、予選からの見事な修正力。「2冠も期待したので少し残念だが、見事な銀メダル。ジャンプでさらなる高みを目指してほしい」。伊東さんは才能あふれる教え子のさらなる飛躍に期待した。(桑波田仰太)

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