往診、転退院支援を強化 大阪府、コロナ重症化のリスク低減へ

大阪府庁=大阪市中央区
大阪府庁=大阪市中央区

高齢の新型コロナウイルス患者には、重症化リスクがつきまとう。早期治療が鍵となるため大阪府は高齢者施設への往診制度を構築したが、施設内の高齢者への感染拡大を防ぐ効果がどこまで得られるかは不透明だ。

府によると、高齢者施設への往診に協力する医療機関は10日時点で39機関。吉村洋文知事は「できるだけ往診機関の数を増やしたい」と話し、府はクラスター(感染者集団)が発生した高齢者施設で治療にあたる医療機関に協力金を支払う制度も創設した。

ただ、それでも思うように高齢者施設の感染拡大を食い止めることはできていない。陽性が確認されていない濃厚接触の段階から抗体薬「ソトロビマブ」の投与を始めることで感染拡大を防げる可能性があるが、国の通知に基づき、現状で感染者のみに限られている。吉村氏は9日、濃厚接触者らも対象に加えるよう岸田文雄首相に求めた。

入院治療が必要と診断された高齢者を受け入れやすくするため、効率的な病床運用も課題だ。府はコロナ病床からの円滑な転退院を目的に「宿泊転送班」を新設。医師や看護師が調整に加わり、入院治療後に症状が悪化していない患者を、初期治療機能を備えた宿泊療養施設などに搬送する。想定するのは自立生活ができる患者で、介護が必要な高齢者らは対象外という。

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