山梨県が全国初の産後レスパイトケア事業開始 子育て支援、産後鬱解消も

子供を一晩預けるため、保育士らに説明する20代の母親(手前)=甲府市(平尾孝撮影)
子供を一晩預けるため、保育士らに説明する20代の母親(手前)=甲府市(平尾孝撮影)

出産後まもない時期に子供を保育士やベビーシッターが最大一晩預かり、その間に、休息をとったり、気分転換したりといった母親支援の「産後レスパイトケア推進モデル事業」の実証実験を山梨県が始めた。都道府県レベルでのこういった事業は全国初。出産直後の母親が睡眠不足で産後鬱になるケースなども多く、それらの課題の解消につなげる狙いだ。専門家も先進的な取り組みとして注目している。

「ゆっくりお風呂に」

「子供と離れるのは少し心配だけど、とにかく、お風呂にゆっくりとのびのびと入りたいですね」

甲府市内のホテルで行われた、産後レスパイトケア事業の第1号参加者となった20代の母親は、子供を預けた直後にこう話した。母子世帯のため育児で頼れる人がおらず「普段は2~3時間眠れればいい方。夜中に泣き続けられると、落ち込んでしまうこともある」という。一晩だけでも子供を信頼できる人に預け、自分の時間ができることに期待する。

休息や息抜きを意味するレスパイトを、産後の母親に提供するという今回の実証実験では、3つのパターンが設定された。「ホテルで一晩ゆっくり」は、高級ホテルの1室を託児スペースにして、県が派遣した保育士や看護師が子供を1日4人以内で預かり、母親は別の部屋でゆっくり過ごす。このほか、子供を保育施設で一晩預かり、母親は自宅でゆっくり過ごすタイプ、保育施設で数時間だけ子供を預け、その間、母親が自分の時間をつくるというタイプだ。

負担は約3千円

対象は1歳未満の多胎児を養育する母親か、ひとり親世帯の母親。費用の多くは県が負担するため、ホテルの場合、母親の負担は約3千円、保育施設の場合は無料だ。

初回の甲府市のホテルで実施されたモデル事業では前記の20代の母親と、三つ子の母親が参加。4人の子供を3人の保育士らで面倒を見た。

担当者によると、20代の母親は「お風呂だけでなく、食事も楽しむことができ、すっかりリフレッシュできた。子育てをがんばることができる」と喜んでいたという。ただ、子供の様子が心配で「あまり眠れなかった」とも。スマートフォンなどで子供の様子を別の部屋から観察できるようなやり方への要望もあった。

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