ウクライナ周辺に昨年来、10万人超のロシア軍が集結し、日に日に緊張が高まっている。侵攻があれば大きな犠牲が出るのは必至だ。ロシアが要求しているのは、ウクライナや周辺の旧ソ連構成国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟しないとの確約だが、米欧は拒否し、交渉は継続している。侵攻はあるのかないのか。日本が取るべき態度は。東大先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏に聞いた。
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最も紛争が激しかった2014年ごろより大規模な、12万~13万人のロシア軍がウクライナ国境に集結し、しかも極東の部隊が8千キロも機動、軍管区司令官まで現地入りしている。補給部隊やパイプライン部隊、野戦架橋システムなど大規模戦争ができる態勢をつくりつつある。