日本ハーフパイプ躍進支える「分業」と「施設」

男子ハーフパイプで金メダルを獲得し、弟の海祝(左)らと笑顔で記念写真に納まる平野歩夢。右は女子銅メダルの冨田せな=張家口(共同)
男子ハーフパイプで金メダルを獲得し、弟の海祝(左)らと笑顔で記念写真に納まる平野歩夢。右は女子銅メダルの冨田せな=張家口(共同)

北京冬季五輪スノーボードのハーフパイプで、日本勢は男子で金、女子で銅と2個のメダルを獲得した。男子は4人全員、女子も4人中3人が決勝で戦うなど、いまや選手層は世界屈指だ。他国に比べ恵まれた練習環境や前回の平昌五輪以降の改革が結果につながった形だが、強国であり続けるのも簡単ではない。

代表チームは平昌後、技術指導にあたるコーチを男女で分業制とした。男子を村上大輔コーチ、女子を青野令(りょう)コーチが担当。ともに五輪経験者で、五輪に向かう選手の立場を理解し、精神面でも支えられる態勢を整えた。また動作解析のスタッフを新たに採用。コーチの経験則や感覚に頼った指導に科学的根拠が加わり、治部(じぶ)忠重ヘッドコーチは「強化のスピードを上げることにもつながっている」と話す。

屋内スキー場やジャンプ練習施設など「民間の力」もレベルアップを支えた。男子の戸塚優斗(ヨネックス)は「夏場はできるだけジャンプ練習施設に来て、空中感覚を覚えたい」と、積極的に活用してきた。

エアマットのジャンプ練習施設「神戸キングス」を2003年に開業し、全国展開する「レスポンスエンジニア」の押部宣広(おしべたかひろ)社長は「今は(選手が)身近に練習できるようになった。反復練習できることが大きい」と指摘する。もともと一般客向けの施設で、選手強化が目的ではなかったが、「今は施設に行けば世界を制した選手が目の前にいて、それをまねしたりできる」と村上コーチ。競技の裾野拡大にも一役買っている。

もっとも、今後も日本の優位が続くかは不透明だ。同様の施設は海外にもでき始めている。レジャーの多様化もあり、屋内練習施設として重宝されてきた「スノーヴァ羽島」(岐阜県羽島市)が昨年11月末で閉鎖するなど、国内の練習環境は厳しくなりつつある。

今回のメダルの価値について、治部ヘッドコーチは「取ったから変わるものではない。これから何をするかで変えていけると思う。もっと冬のスポーツが盛り上がるように、できることをやっていきたい」と強調した。(小川寛太)

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