天才肌の盟友追った努力型の19歳 恩師が送る平野流佳への言葉

2回目の滑走を終えた平野流佳=11日、雲頂スキー公園(桐原正道撮影)
2回目の滑走を終えた平野流佳=11日、雲頂スキー公園(桐原正道撮影)

初めての五輪はほろ苦い結果に終わった。11日に行われた北京五輪スノーボード男子ハーフパイプ決勝で、平野流佳(るか)(19)=太成学院大=は3回とも転倒。予選3位とメダルへの意欲を持って臨んだが、最下位の12位に沈み、「予選よりも全然いい滑りができなかったので、悔しいしか出てこない」と唇をかんだ。

雪とは縁遠い大阪市此花区出身。幼い頃から常に先を行くライバルの背中を追い、ついには肩を並べるところまで成長した。ともに今大会に出場した同学年の戸塚優斗(20)。小学校高学年の頃から師事する青木亮さん(34)の下で切磋琢磨(せっさたくま)してきた盟友だ。

高さのある平野流佳のエア=11日、雲頂スキー公園(彦野公太朗撮影)
高さのある平野流佳のエア=11日、雲頂スキー公園(彦野公太朗撮影)

闘争心をむき出しにする戸塚と、感情をあまり表に出さない平野流。2人は何もかもが対照的だった。難しい技をすぐに習得してみせる天才肌のライバルに対し、平野流は愚直に練習を重ねて何とか自分のものにする努力家タイプ。「優斗だから、あんなふうに簡単にできる。自分にはできない」。そうつぶやいた平野流の姿を青木さんはよく覚えている。

戸塚とは違うルートで頂上を目指す―。こう決意した平野流の姿が昨夏、山梨県のスキー場にあった。青木さんがそこで課したのは派手なトリック(技)ではなく、難易度を抑えた地味なメニュー。「事情を知らない人が見たら、どうしたのかと不思議に思うでしょうね」。時間をかけて姿勢の保ち方を体に覚え込ませるのが狙いだった。

3回目の滑走を終えた平野流佳。初めての五輪はほろ苦い結果に終わった=11日、雲頂スキー公園(桐原正道撮影)
3回目の滑走を終えた平野流佳。初めての五輪はほろ苦い結果に終わった=11日、雲頂スキー公園(桐原正道撮影)

地道な努力は実を結ぶ。昨年12月のワールドカップ(W杯)開幕戦で、戸塚や平野歩夢(あゆむ)(23)を抑えて優勝。「五輪で金メダルを取ることが目標」と宣言し、北京に乗り込んだ。9日の予選は6位の戸塚を上回り、メダルも視野に入る3位。堂々の決勝進出を果たし、「常に優斗と比べられるしんどい状況で、よく頑張り続けた」と青木さんは目を細める。

4年後に向け、「もっと練習して、次はちゃんと勝ちたい」と言い切った平野流。青木さんは「本気でメダルを狙って決勝の舞台に立ったからこそ、感じるものがあったはず。次につなげてほしい」と19歳の飛躍に期待を込めた。(花輪理徳)

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