怒りを力に変え悲願達成 スノボ平野歩夢

スノーボード男子ハーフパイプのメダルセレモニーで、金メダルを手にする平野歩夢=11日、中国・張家口(彦野公太朗撮影)
スノーボード男子ハーフパイプのメダルセレモニーで、金メダルを手にする平野歩夢=11日、中国・張家口(彦野公太朗撮影)

北京冬季五輪のスノーボード男子ハーフパイプで、平野歩夢(あゆむ)(TOKIOインカラミ)が優勝し、1998年長野五輪で採用されたスノーボードで日本選手初めての金メダルを獲得した。

平野歩は怒っていた。決勝2回目。横4回転の技を3つ組み込むなど、首位のジェームズより高難度の演技を見せたが、得点は届かない。「おかしいと思いつつ、イライラしていた」。

ただ、冷静さは失わなかった。この日のために隠してきた新技はリスクが高いとして回避。3回目の演技で高さと着地の完成度を高められれば、上回れるとふんだ。「信じてよかった」。土壇場で完璧に決めきる精神面の強さも見せつけ、今度こそジェームズを逆転した。

「小さいころから追いかけてきた夢を一つつかめて、納得いく滑りができたので満足している。ここを取らずには終われなかった」。冬季五輪日本初の3大会連続メダルを「金」で決めると、右手に持ったボードを高々と突き上げた。

努力のたまものだ。日本代表の村上コーチは「練習が終わりになってもやり続けるタイプ。体力が異次元」と舌を巻く。練習では、ハーフパイプが終了時間になっても滑れるところを探して日が暮れるまで滑り続けた。スケートボードで挑んだ東京五輪からわずか半年。「心配はオーバーワークでけがにつながること」(村上コーチ)というほどだった。

4歳からスノーボードを始め、ソチ五輪、平昌五輪と連続で2位。決意を固めてスタートした北京五輪の道は家族や周囲に支えられ、東京を経て金メダルまでたどり着いた。今回は弟の海祝(かいしゅう)とともに出場し、「一緒に決勝でけがなく最後まで滑り切れたことが一番大きい思い出」。たくさんの財産を手にし、23歳は満面の笑みを浮かべた。(小川寛太)

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