企業の値上げ「想定以上に進む可能性」 日銀審議委員

日本銀行本店
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日銀の中村豊明審議委員は9日、物価の先行きに関連し、企業による販売価格の引き上げが「想定以上に進む可能性がある」と指摘した。原材料を仕入れる費用の増加を背景に、値上げの動きが消費者に近い製品を作る企業にも広がりつつあると説明した。山梨県の経済界関係者らとオンライン形式で懇談し、語った。

企業が値上げに積極的になることは、「日本経済の新たな成長軌道へのシフトと(日銀の)物価安定目標の実現に関わる重要な要素だ」とも強調。反対に、費用増を販売価格に転嫁する動きが十分に進まなければ「賃金と未来への投資が抑制される悪循環に陥りかねない」と発言した。

一方、日本経済に悪影響を与えるリスクとしては、中国経済の動向を挙げた。同国で新型コロナウイルスが感染拡大すれば世界経済を下押しし、「国際的な供給制約や物価上昇圧力の長期化につながるリスクがある」と述べた。米欧との対立激化や規制強化などによる中長期的な成長力の低下にも懸念を示した。

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