日本から直行便で約11時間。アラビア湾に面した常夏の国、アラブ首長国連邦(UAE)では現在、ドバイ万博が開催されている。日本で2025年に大阪・関西万博が開催されることもあり注目を集めるが、新型コロナウイルス禍の影響で日本人が現地を訪れることは容易ではない。ただドバイでは、ワクチン接種とPCR検査の徹底で海外客の受け入れを世界に先駆けて再開しており、すでに欧米を中心に多くの観光客が訪れる。昨秋に万博取材でドバイを訪問した記者が、「ウィズコロナ」で復活を目指すドバイの観光の〝今〟を紹介する。
あふれる外国人
昨年9月末、コロナ禍による渡航制限で人気が消えた関西国際空港を深夜に出発。搭乗客もまばらだったが、到着した現地の空港はコロナ禍前には及ばないものの、多くの外国人であふれており、日本との違いに衝撃を受けた。そして、外国人でにぎわうのは空港だけではなかった。
ドバイ中心部の高層ビルが立ち並ぶ「ダウンタウン・ドバイ」。この中でひときわ威容を見せる世界で最も高いビル「ブルジュ・ハリファ」(高さ約828メートル)を訪れた。展望台に向かうチケット売り場には外国人の列ができており、並んでいた子供連れの米国人女性に訪問の理由をたずねると、「夫が行こうって誘ってくれたから、思い切って旅行に来たの。とても楽しい。来てよかった」と笑顔で答えが返ってきた。