JR東海は9日、使用済みの食用油由来の次世代バイオディーゼル燃料(BDF)を使って新型の在来線特急車両「HC85系」を名古屋市の車両基地で走らせる検証試験をした。二酸化炭素(CO2)の排出削減による環境負荷低減を目指し、実現可能性を探る。
HC85系はエンジンでの発電と蓄電池の電力を組み合わせてモーターを回し走行する「ハイブリッド方式」を採用している。従来の燃料は軽油だが、今回は試験走行車の1両に次世代BDFを200リットル給油し、車両基地内を走行した。
次世代BDFは、既存のエンジンを造り替えずに、軽油と同じように使え、CO2排出量を実質ゼロにできる点が特長。2月中に紀勢線で走行試験を行い、線路でのエンジン性能や車両の状態を確認する。燃料を開発したユーグレナの尾立維博執行役員は「見事に動いて感動した。コストや供給量など課題の解決に取り組む」と述べた。