トヨタ追加減産に仕入れ先困惑  調達方式見直しへ

トヨタ自動車本社に掲げられている旗=愛知県豊田市
トヨタ自動車本社に掲げられている旗=愛知県豊田市

トヨタ自動車が令和3年4~12月期連結決算で売上高、最終利益ともに同期で過去最高を更新した背景には、東日本大震災などの危機を教訓に強化してきた調達力がある。ただ、長引く半導体不足や新型コロナウイルス感染再拡大で減産を余儀なくされ、4年3月期の世界生産台数は度重なる下方修正で850万台にまで落ち込む見通しだ。生産計画の変更に仕入れ先は振り回され、資材価格の高騰にも悩まされている。トヨタは供給網全体の負担を軽減するため、調達方式の見直しに動きだしている。

自動車業界全体がコロナ禍や半導体不足で打撃を受けるなかでも、トヨタはグループの部品大手デンソーなどと連携。きめ細かく生産計画を提示して在庫を手厚く確保するなどの努力が奏功して、人気の高いスポーツ用多目的車(SUV)など新型車を投入することができた。

一方で、当初は930万台としていた世界生産台数の見通しは、東南アジアのコロナ感染再拡大による部品調達難が大きく響き、昨年9月に900万台に下方修正。その後も半導体不足が続き、国内のコロナ感染再拡大による工場の稼働停止などが原因で850万台にまで引き下げる事態となった。

度重なる生産計画の変更に対し、トヨタには仕入れ先から「減産となっても挽回生産に備えて人員を雇い続けねばならない」「やむを得ず製品を生産しては廃棄することを繰り返している」といった困惑の声が寄せられているという。

仕入れ先からの信頼を失いかねないとの危機感から、トヨタは余剰となった在庫や人員の費用負担などについて個社への聞き取りを実施。資材価格の高騰が経営に与える影響も考慮し、半期ごとに実施している部品価格の引き下げ要請を令和4年度上期は一定期間見送ることなども検討する。

減産は納車の遅れにもつながる。トヨタは仕入れ先に加えて顧客や販売店からの信頼確保のため、「これまで以上に丁寧にコミュニケーションを行う」としている。(宇野貴文)

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