全方位カメラで議会委を配信 茨城・取手市議会、よりリアルに

インターネット配信のため中央に設置する全方位カメラ=茨城県取手市役所の議会棟(篠崎理撮影)
インターネット配信のため中央に設置する全方位カメラ=茨城県取手市役所の議会棟(篠崎理撮影)

ICT(情報通信技術)を活用して議会のバリアフリー化を進めようと、取手市議会は、各委員会で全方位(360度)カメラを導入し、撮影した映像をインターネット配信するサービスを始めた。視聴者がパソコンなどを操作し、360度どの方向でも委員会を見ることができる。議会事務局によると全国初の試みといい、本会議場への導入も検討していく考えだ。

市議会ではこれまで、委員会を1台の固定カメラで撮影し配信してきたため、配信側(議会事務局)が映し出す一方向からの配信となっていた。全方位カメラで配信された映像をパソコンやタブレットなどで見ると、発言している議員だけでなく、市の担当者や傍聴席など、見たい方向を映すように操作できる。

発言内容だけでなく、発言者や他の議員の表情などを見ることができ、議場で実際に傍聴することに近づく。映像は繰り返し見たりアップにしたりすることも可能だ。

平成30年5月、市議会の福祉厚生委が市民団体「とりで障害者協働支援ネットワーク」と意見交換した際、「現在の市議会のインターネット配信は傍聴とは言い難い。視聴者の意思によって見たい場所を見ることができない」などの意見があり、課題解決を検討していた。

先月25日の議会運営委では、実際に全方位カメラで撮影した映像を確認しながら、同ネットワークのメンバー3人と意見交換。車いすを利用している染野和成代表(69)は「議場へは階段があり、場所も狭いので車いすの人は傍聴できない。議場で傍聴するのが一番だが、一歩進んだと思う。早く本会議にも導入してほしい」と評価した。

このほか、同ネットワークからは「発言者が最初に自分の名前を言うことを徹底するなど、視覚障害者にも配慮してほしい」などの意見もあった。

議会運営委の岩沢信委員長は「次善の策ではあるが、本当の傍聴に近づいたと思う。議員もより緊張感を持つことになる。できることから改善して、市民に議会や市政に関心を持ってもらうきっかけになってほしい」と話している。(篠崎理)

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