山梨県の長崎幸太郎知事は8日、16日開会の2月定例県議会に提出する総額5467億円の令和4年度一般会計当初予算案を発表した。3年度当初比3・3%増で過去最大。新型コロナウイルス感染防止と医療提供体制の拡充に加え、観光産業の高付加価値化や、製造業分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進などを目指す。
長崎氏は予算案について、「コロナ克服・やまなし可能性最大化予算」と名付けた。財政調整基金など主要基金の取り崩し額は100億円となり、3年当初予算よりも45億円減らすなど財政の健全化も図る。
新型コロナ対策では無料検査支援や、軽症者らを受け入れる宿泊療養施設、感染拡大時の独自の自宅療養である「ホームケア」など、検査と治療体制を強化する。感染症専門の医師や看護師養成に向けた予算を計上し、専門人材も育成する。
産業育成では山梨県のブランドを向上させることで観光、ワイン、農産品などの事業拡大を支援する。県などが主導してきた水素・燃料電池事業強化にも取り組む。
条例改正案では、地面に設置されるすべての太陽光発電を規制の対象とする。現在、出力10キロワット未満の施設を新設する際には県の許可は不要。このため小規模施設を複数設置するケースがあり、周辺住民とのトラブルが懸念されている。
男女共同参画を進めるため、部局長級ポスト「男女共同参画・共生社会推進統括官」を新設する。