北京冬季五輪は8日、フィギュアスケートの男子ショートプログラム(SP)が終わり、羽生結弦(27)は8位に沈んだ。10日のフリーで同種目では史上2人目となる五輪3連覇に挑むが、その壁の高さを突きつけられる苦しいスタートとなった。
94年前、その偉業を達成した選手がいる。スウェーデンのギリス・グラフストロームだ。
グラフストロームが最初の金メダルを獲得したのは、1920年にアントワープで開かれた夏季五輪でのことだった。
同五輪は直前の16年ベルリン五輪が第1次世界大戦の影響で中止となり、8年ぶりに開かれた五輪だ。夏季五輪でありながらフィギュアスケートとアイスホッケーが行われ、グラフストロームは男子シングルを制覇。この大会では、熊谷一弥がテニスで日本初の五輪メダルを獲得している。
24年にはフランス・シャモニーで冬季五輪が初めて開かれ、フィギュアスケートは冬季五輪の種目に。グラフストロームはこの大会でも金メダルを獲得。28年サンモリッツ五輪でも頂点に立ち、夏冬にまたがっての3連覇を達成した。
32年レークプラシッド五輪にも出場したが、銀メダルとなり4連覇には一歩届かなかった。この大会では日本も初めてフィギュアスケートに選手を派遣。老松(おいまつ)一吉と帯谷(おびたに)龍一の2人がグラフストロームと同じリンクに立っている。(鈴木俊輔)