万博、コロナ、脱炭素…経済の未来めぐり活発議論

オンラインで開催された関西財界セミナーの分科会=8日午後、大阪市北区のNCB会館(南雲都撮影)
オンラインで開催された関西財界セミナーの分科会=8日午後、大阪市北区のNCB会館(南雲都撮影)

オンラインで開催中の関西財界セミナーでは8日午後に6つの分科会が行われ、関西が直面する主要な経済課題をめぐり企業トップや学識者らが活発な議論を交わした。

第1分科会では約3年2カ月後に開幕が迫り、準備作業が本格化しつつある大阪・関西万博と、万博後に残されるべきレガシー(遺産)について意見を交わした。

りそな銀行の岡橋達哉副社長は「関西では医療やヘルスケア技術で優れた企業が多い。技術開発をさらにしやすくする環境を整備し、スタートアップ(創業間もない企業)の育成につなげるべきだ」と指摘。オリックスの高橋豊典執行役は「(万博でのサービス提供が見込まれる)空飛ぶクルマの活用に向けた規制緩和が重要だ」と指摘した。

関西電力の森望副社長は万博で「電気自動車(EV)が走行しながら充電できるインフラ、システムを整備したい」と発言。JR西日本の倉坂昇治副社長は「(大阪駅北側の)『うめきた』をイノベーション拠点にしたい」との考えを示した。

第2分科会では新型コロナウイルスの世界的拡大をはじめ、気候変動や経済安全保障などのグローバルリスクについて議論した。

パナソニックの宮部義幸専務執行役員は、コロナの感染拡大を受けて同社が迅速に対応マニュアルを策定した事例を挙げ、「平時の備えと、対応する瞬発力が大事だ」と強調。ダイキン工業の高橋孝一専務執行役員は、最悪を想定したシナリオづくりの意義を強調した上で「『リスクを回避できれば将来こうなるぞ』と従業員を鼓舞することが重要だ」と語った。

また、政府の感染症対策をめぐっては、入国規制緩和への要望が相次いだ。議長を務めた伊藤忠商事の鈴木善久副会長は「企業側から政府に働きかけねばならない」と話した。

第3分科会はカーボンニュートラル(脱炭素)へ向けた日本の現状と取り組むべき方向性について意見を交わした。

政策アナリストの石川和男氏は「日本の太陽光発電量は世界でも上位で、再生エネルギー後進国というのは噓だ」と指摘。また、原子力の費用対効果を強調し、「世界的に原子力は増加傾向。日本も感情抜きで数字をもって考えないといけない」と話した。エア・ウォーターの松林良祐常務は「水素などの利用促進のためにも国の規制緩和や補助の拡大が必要だ」と発言した。

財界セミナーは9日も討議を続け、議長報告をまとめる。

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