昼食難民をITで解消 公開データ活用サービス 東京都が表彰

都知事杯オープンデータ・ハッカソンで最優秀賞を受賞したチーム「ToDCS」と小池百合子東京都知事
都知事杯オープンデータ・ハッカソンで最優秀賞を受賞したチーム「ToDCS」と小池百合子東京都知事

公共のデータを活用した新たなサービス作りを競う「オープンデータ・ハッカソン」(東京都主催)で、建設業界で働くメンバーが中心となったチーム「ToDCS」が提案した「昼食難民とキッチンカーをマッチングするサービス」が最優秀賞に選ばれた。

同サービスは、工事現場で見かける建築計画を記した標識看板のデータなどをもとに、AIを使って地域に集まる人数を予測することで、移動して昼食を提供できるキッチンカーをマッチングさせるサービス。「ToDCS」のリーダーの斎藤寛彰(34)さんは「建設業界で仕事をする中で、工事現場で働く人たちが昼食を確保しにくい問題を解決したかった。ハッカソンの開催をSNS(ソーシャル・ネットワーキングシステム)で知り、都のオープンデータを活用して課題に取り組みたいと思った。受賞できて感動した」と振り返った。

都の支援受け3月末に公開予定

最優秀賞に輝いたチーム「ToDCS」のプレゼンテーション
最優秀賞に輝いたチーム「ToDCS」のプレゼンテーション

大会には41チームが参加した。4日間の日程でビジネスに関する講義やエンジニアによる技術支援を受け、サービスを考案し完成させる。1月28日の決勝では、区のゴミの分別表や保育園の入園者情報など、東京都が公開しているオープンデータを元に、ゴミの分別をAIで支援するアプリ、保育園の空き状況を地図上に表示するアプリといった生活者の視点で都政の課題を解決するサービスが提案された。

最優秀賞を獲得した「ToDCS」が活用した「標識設置届」の情報は、一定規模の建設現場で掲示が義務付けられ、誰でも閲覧できるが、現在では都庁まで出向いて紙のコピーを入手する必要があったという。斎藤さんは「普段は注目されてない工事現場の看板のオープンデータを発掘し、それが価値に変わる体験をした。都はネット上でも(情報を)公開すると聞いている。このようにしてデータ活用が進んでいくのではないか」と話した。提案したサービスは、最優秀賞の特典である都のサポートも受けながら、3月末に公開する予定で準備が進んでいる。

都も注目するシビックテック

近年、台湾で政府が公開したマスクの在庫状況をもとに民間の技術者が入手可能な場所を示した地図アプリを開発するなど、シビックテックと呼ばれる市民がテクノロジーを活用して社会課題を解決する取り組みが注目を集めている。都は保有する行政データの公開を積極的に行い、ハッカソンという活用の場を設けることで民間による住民生活に役立つサービスの創出を後押ししたい考えだ。

小池百合子都知事は表彰式で「都民の生活の質の向上につながるいいサービスが提案された。シビックテックとの協働で東京から役に立つサービスが出て欲しい」と手応えを口にした。都では、審査員を務めたIT大手のヤフー元社長の宮坂学副都知事が中心となり、3Dのデジタルマップの公開など、都民の生活の質を向上させるDX(デジタル・トランスフォーメーション)に向けた取り組みが加速している。

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