主張

教員不足 優秀な人材集まる環境に

公立小中高校などで教員が不足していることが文部科学省の初の実態調査で分かった。

残業が多く、きつい職場と敬遠され、教員志望者が減っている背景がある。優秀な人材が集まるよう手を打ちたい。

調査では、今年度当初に配置された公立校の教員数は各教育委員会の予定に比べ、2558人不足していた。学校数では1897校で全体の5・8%にあたる。

教員の世界も団塊の世代の大量退職に伴い、世代交代が進んでいる。採用が多い若手の子育て期も重なり、産休に入る教員の穴埋めができない例などがある。

教頭など管理職や、少人数学級などを進めるために加配された教員で学級担任などの穴を埋めていたという。

文科省は「授業が停滞するといった深刻な事態は把握していない」としている。だが教員不足で他の教員の負担が増えれば、またきつい職場と嫌われる悪循環となりかねない。

教員不足は地域差もある。各教委は学校現場の状況をさらに詳しく把握し、定年後の教員の活用など、工夫してもらいたい。

何より教員を目指す意欲ある人材を増やすことが欠かせない。都道府県などが実施した教員採用試験の競争率は、小学校の倍率が2・6倍と過去最低を更新するなど相変わらず低調だ。

教職がやりがいのある仕事だと魅力が十分発信できているかも疑問だ。文科省がSNS(会員制交流サイト)を使って現職教員から学生らへ魅力を伝えるはずの「#教師のバトン」プロジェクトに、残業が多いなどの苦情が殺到する笑えない問題もあった。

運動部の顧問のなり手がいないという現状も情けない。部活指導者の外部委託などを進めるというが、学力も学校より塾が頼りにされている。何から何まで「外注」で学校はいったい何をするのか。教職は人を育て、やりがいがあり、かけがえのない仕事であると、学校、教員の魅力を増す発信こそ求められる。

働き方改革というなら無駄な会議、無用な教委への報告書づくりなどを徹底して見直すべきだ。

教員は学級運営などで孤立しがちだ。孤立感が多忙感につながっていないかも見直し、意欲ある人材が集い、腕をふるえる環境をつくってもらいたい。

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