塩野義と島津、下水からコロナ検出する新会社

採取した下水をPCR検査にかけるための作業(塩野義製薬提供)
採取した下水をPCR検査にかけるための作業(塩野義製薬提供)

塩野義製薬と島津製作所は8日、下水から特定エリアでの新型コロナウイルスの感染状況を調査する新会社を共同で設立したと発表した。感染者の糞(ふん)便に含まれるウイルスをPCR検査で検出する。発熱などの症状が出る前に検出できるため、自治体や福祉施設などが早期に感染予防対策を取れるメリットがある。

島津は昨年5月、学校や高齢者施設などの下水から感染者の有無を調べるサービスを開始。塩野義も自治体などに向けて下水のPCR検査の分析サービスを行っていた。両社は同年6月、コロナを含む感染症領域での業務提携を発表しており、新会社はその一環で今年1月20日に設立した。

具体的な業務としては、自治体や施設から依頼を受け、マンホールや下水処理場で試料を採取。特定エリアでの感染状況の調査結果を依頼主に報告する。欧米では同様の下水モニタリングが早期検知に活用されており、日本でも社会インフラとして定着を目指す。

糞便での検査は発症前や無症状でもウイルスを検出できるため、発症後に検査する従来の臨床検査と比べても検知のタイミングが早い。PCR検査に出向くなどの個人の手間や、個人を特定することなく、特定エリアでの感染リスクを把握することができる。

社名は「AdvanSentinel(アドバンセンチネル)」で、本社は塩野義本社(大阪市中央区)内に置く。資本金は2億円。出資比率は両社が50%ずつ。(井上浩平)

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