異論暴論

「正論」3月号 好評販売中 いまこそ日台関係 「一つの中国」を疑え

日中国交正常化50周年、何がめでたい。日本統治時代の50年を含め、同じ価値観を共有する台湾とは120年を超える交流がある。石原慎太郎氏も生前、台湾との絆を大切にしていた。いまこそ日台関係を見直すべきときだろう。

「一つの中国」なる原則を叫び「台湾は中国の一部」だと中国は主張するが、実際のところはどうなのか。拓殖大学顧問の渡辺利夫氏が、50年前の日中共同声明にさかのぼって「一つの中国」はあくまでも中国側の主張であって、日本はそれを承認も同意もしていない事実を詳説している。あわせて、権威ある辞典であるはずの「広辞苑」の怪しげな記述もバッサリ斬り捨てた。

旧ソ連・バルト三国の一つリトアニアは親台湾政策を掲げ、中国と真っ向から対決するに至っているが、その背景を産経新聞の三井美奈パリ支局長が解説。国連を脱退し、ユネスコも未加盟の台湾には世界遺産が現状ゼロだが、世界に誇れる景観が多数あると、作家の平野久美子氏は「台湾世界遺産登録応援会」の顧問として後押ししている。

李登輝元総統をはじめ日本や台湾の発展を支えた多くの人材を輩出した旧制台北高等学校は、今年で創立100周年。卒業生は台湾の内と外から、戦後長らく国民党一党独裁だった台湾の民主化に努め、ついに実現させた。台北高校のモットー「自由と自治」を今、まさに台湾自体が実践していると、台湾独立建国聯盟日本本部の王明理氏が紹介。近年、注目を集める半導体メーカー「TSMC」は、実は台湾が生き残るために創った国策企業なのだと『国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦』著者、藤重太氏が明かす。

産経新聞の河崎真澄特別記者は、台湾人の日本への好意に甘えるばかりではいけないと苦言を呈する。(溝上健良)

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令和の安全保障考 「防衛国債」で防衛費増図れ

年明け早々に開催された日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)は、台湾有事を見据え、日米同盟による「共同対処」の方針が鮮明となる画期的なものだった。ウクライナ情勢が深刻化する中、米国を東アジアに関与させ続けるためにも、日本の主体的な姿勢が求められており、防衛費の増額は必須だ。

防衛大学校教授の神谷万丈氏は「共同対処」が鮮明になったことを評価する一方で、同盟であれば当然の共同対処の方針が、日本にとっては「画期的」に見えることを指摘。「日本人の同盟や軍事力に対する向き合い方が、依然として国際的な常識から大きくはずれたものだということに気づく必要がある」

元陸将の磯部晃一氏は、2プラス2の共同発表文を解読。「閣僚レベルで具体的な方向性まで示している点が特色」とした上で、具現するために防衛費を国内総生産(GDP)の2%程度まで増額する必要性を説く。増額の内訳には、宇宙やサイバー等の新たな領域や国内の防衛産業支援など数限りない。

経済的な裏付けがなければ防衛政策も成り立たない。産経新聞特別記者の田村秀男氏は、防衛費停滞の元凶は、財務省の財政均衡主義とGDP1%枠にあるとする。建設国債と同じように、「防衛国債」を発行することでデフレ脱却を訴える。(楠城泰介)

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