中小のロボット開発支援 埼玉県が施設整備へ

埼玉県は、先端産業の誘致を進める同県鶴ケ島市のエリアに、中小企業のロボット開発を支援する施設を整備する方針を決めた。実験スペースや研究室として使う場所を提供することでロボット産業への参入を促す。施設の開業時期などを盛り込んだ基本計画を3月下旬にまとめる予定だ。

新施設の名称は「SAITAMAロボティクスセンター(仮称)」で、同市の県農業大跡地近くに約12ヘクタールの用地を確保する。

実証実験や性能試験のためのスペースとして、ドローンを飛ばすことができる場所や自動運転車の走行が可能な道の整備を計画している。こうしたスペースを自前で用意することが難しいという中小企業からの声を踏まえ、高い技術を持ちながら資金力に乏しい企業に対し良質な開発環境の提供を図ることにした。

研究室や屋内の実証実験に使える場所も準備するほか、会社の垣根を越えて協業する「オープンイノベーション」に向けた交流スペースも設ける予定だ。

整備予定地は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と関越自動車道を結節する鶴ケ島ジャンクション(JCT)に近い。

県は、この周辺のエリアを交通の利便性が良く産業集積力のある地域と位置づけ、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)といった先端技術を活用する企業の誘致を進めている。県農業大跡地では昨年6月に重工大手のIHIの航空機エンジン整備工場が稼働を始めており、新施設はこれらの企業との連携も模索する。

民間調査会社の富士経済によると、2018年に2・9兆円だった世界のロボット市場の規模は、25年には5・8兆円に拡大する見通しだ。県幹部は、人口減少などの課題に立ち向かうにはロボット産業が欠かせないとした上で「市場拡大が期待できるロボット産業への参入はビジネスチャンス。埼玉発のロボットを次々と生み出したい」と話した。(中村智隆)

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