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視聴者も隣人になって 上戸彩「となりのチカラ」

上戸彩 撮影・飯田英男
上戸彩 撮影・飯田英男

さえない男性が、マンション住民のゴタゴタを解決していく社会派ホームコメディー「となりのチカラ」。問題に首を突っ込む中越チカラ(松本潤)の妻で、働きながら2人の子供を育てるしっかり者の灯(あかり)を演じる。

脚本、演出は、「女王の教室」「家政婦のミタ」(いずれも日本テレビ)などで知られる遊川和彦氏。脚本の読み合わせでは、「遊川さんから『優し過ぎる』と言われ、(夫へのせりふの)言い方に苦戦した」という。夫婦の日常的な会話に余計な思いを乗せ過ぎないようリアルさを求める注文だったが、「自分の引き出しからすぐに出すことができず、いろいろなパターンを試してそこから引き算していった」と苦労を明かす。

父親から虐待を受ける子供、認知症の祖母と暮らすヤングケアラーの高校生、あやしげな外国人女性…と、中越家が引っ越してきたマンションは問題を抱える住民だらけ。見て見ぬふりができないチカラは悩みながらも手を貸し、問題を解決していく。「チカラ君のような隣人がいたらうれしいですよね。でも、家族にいたら嫌かな。自分たちが後回しにされちゃうから」と苦笑する。

困ったことがあれば手を貸す助け合いの文化が廃れた昨今、都会では近隣住民の顔も知らないケースも珍しくない。チカラのような人物は少数派となりつつあるが、「私はチカラ君寄りですね。ご縁ある方とは仲良くなりたいし、心配な人がいたら気になるし…」。2児の母としても、「自分の子供だけでなく周りの子供でも、良くないことをしていたら放っておかない」のだという。

撮影現場では、〝家族〟に支えられている。「松本さんは頭の回転が早く、遊川さんの求めるものに頭を使ってはめこんでいけるタイプ。子役の2人はめちゃくちゃいい子で、うちの子もこういう風に育ってほしい」。遊川演出にてこずっているのは共演者も同じようで、占い好きの隣人、道尾頼子を演じる松嶋菜々子ですら、「役が見つからない」とさまざまなアプローチを試しているという。その姿に「自分もがんばらないと」と励まされている。

「チカラ君の行動は正解か、自分ならどうするか、出演者になったつもりで考えてもらいたい」と、視聴者にも隣人の一人になってほしいと願う。そうすればきっと、困っている人に声をかけようと背中を押されるはずだ。(道丸摩耶)

うえと・あや 昭和60年生まれ、東京都出身。平成9年、「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、12年に連続ドラマ「涙をふいて」(フジテレビ)で女優デビュー。13年「3年B組金八先生」(TBS)で性同一性障害の生徒を演じブレーク。主な出演作に「絶対零度~未解決事件特命捜査~」(フジ)、「半沢直樹」(TBS)、「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(フジ)、映画「テルマエ・ロマエ」など。

「となりのチカラ」はテレビ朝日、木曜午後9時。

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