10チームによるフィギュアスケート団体の日本は、女子ショートプログラム(SP)で樋口新葉(わかば、明大)がほぼミスのない演技で74・73点をマークし、2位の9点を手にした。
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演技を終えた樋口は、ほっと一息ついた。団体戦女子SPで74・73点の2位。日本の決勝進出に貢献し、「すごく集中してできた」と胸をなでおろした。
安全策をとった。武器のトリプルアクセルを回避した。北京入りしてから練習で一度も成功せず、「失敗できない。不安要素を消すため」と決断した。
冒頭の2回転半を高く決め、勢いに乗った。続くルッツ-トーループの2連続3回転、最後の3回転フリップも成功。スピン、ステップでは笑顔を見せながら滑り、「こっちに来てから一番良い演技ができてほっとしている」と振り返った。
前日まで調整に苦戦していた。ジャンプがなかなかイメージ通りにはまらなかった。この日朝の公式練習後、家族や友達からのメッセージに目を通したという。「自信を持って、やってきたことを思い出してやれば大丈夫」との励ましの言葉に迷いが吹っ切れた。五輪の独特な雰囲気に、のまれなかった。
2回転半で臨んだ中での74点台には、「3回転半を入れられたら、もっと点数が高くなる。まだまだ伸ばせる」と手応えを得た。個人戦につながる五輪の初演技となった。(久保まりな)