エリザベス英女王が在位70年 「開かれた」王室進化 君主制存続危ぶむ声も

5日、英東部サンドリンガムの別邸で開かれたレセプションに出席するエリザベス女王(ゲッティ=共同)
5日、英東部サンドリンガムの別邸で開かれたレセプションに出席するエリザベス女王(ゲッティ=共同)

【ロンドン=板東和正】英国のエリザベス女王(95)が6日、即位から70年を迎えた。5日に声明を出し、「人生を皆さんへの奉仕にささげるという誓いを新たにし、うれしく思う」と表明した。女王は在位期間が歴代最長の英国君主で、存命中の君主として世界で最高齢。緊急時にも柔軟な対応で国民に寄り添い、「開かれた王室」を進化させた功績で世界の敬愛を集めてきた。

女王は父のジョージ6世の病死に伴い、1952年2月6日に25歳で王位を継承した。2015年には、大英帝国を繁栄させたビクトリア女王(在位1837~1901年)を抜き、在位期間が歴代最長の英国君主となった。即位後、チャーチルから現在のジョンソン氏に至るまで、14人の首相が女王に仕えている。

今回の声明では「英国と世界中の全ての国籍、信仰、年齢の人々が私に示してくれた好意」への謝意を強調。70年の記念日を受けて「家族や友人、地域が一つとなり、日々の生活の進展を思い返すことができるよう願っている」とした。

6日は大きな行事はなく、パレードなど盛大な祝賀行事は、例年誕生日を公式に祝う6月に行われる予定だ。

女王は「開かれた王室」を目指す改革を進め、王室が携わる慈善活動の詳細な情報を開示したほか、王室経費の削減にも努めた。新型コロナウイルスの感染拡大時には、テレビ演説で団結を呼びかけた。カナダをはじめ、かつての植民地など50カ国以上が加盟する国家連合「コモンウェルス(英連邦)」の首長も務め、英連邦諸国への歴訪では植民地時代のしこりを克服し、親善関係を築いた。

女王の人気は今も高く、英調査会社ユーガブの昨年11月下旬の調査によると、国民の83%が女王を支持した。

ただ、近年、王室では不祥事が相次ぎ、将来的な君主制の存続を危ぶむ声もある。昨年には、女王の孫、ヘンリー王子(37)とその妻、メーガン妃(40)が王室内で人種差別的な扱いを受けたと告白。少女への性的虐待事件に関与した疑惑が浮上している女王の次男、アンドルー王子(61)が今年1月、軍の肩書などの地位を女王に返上した。

英調査会社イプソス・モリによると、2012年5月の調査では「英国は君主制を維持すべきだ」と80%が答えていたが、昨年11月末には60%まで下落、調査を開始した1993年以降で最低になった。

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