映画「ラストエンペラー」で知られる清朝最後の皇帝「宣統帝」、愛新覚羅溥儀(あいしんかくら・ふぎ)が1912年2月に退位してから12日で110年。溥儀の没後55年となり、中国大陸や日本をめぐる激動の時代の記憶は薄れつつある。溥儀から遡(さかのぼ)ること9代、清朝第3代皇帝、順治帝の末裔(まつえい)といい、都内で眼科医院の院長を務める愛新覚羅維(い)さんに、清朝や日本への思いを聞いた。
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1644年から1912年まで270年近く、中国大陸とモンゴル高原を支配した最後の統一王朝、清朝をつくり上げた満州族が数多く暮らす遼寧省。その省都・瀋陽で生まれた維さんは、地元トップの有名校、東北育才学校から名古屋大医学部に進んだ。