北京冬季五輪のフィギュアスケートは4日、10チームによる団体が始まり、初の表彰台を狙う日本は男子ショートプログラム(SP)で宇野昌磨(トヨタ自動車)が2位に入った。
前回平昌五輪から2大会連続で団体の1番手を任された宇野が、見事なスタートダッシュを切った。男子SPで105・46点をマークし2位。2018年9月のロンバルディア杯以来、3季ぶりに自己ベストを更新し、「練習通りの気持ちで試合に挑めた」と納得の表情を浮かべた。
赤と黒の新しい衣装で舞った。冒頭の4回転フリップは出来栄え点(GOE)で3・30点もの加点を引き出した。続く4回転-3回転の連続トーループ、最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)でもGOEを稼いだ。演技後は日本の応援席に向かって小さく右手を握り、はにかんだ。
スイス出国前の新型コロナウイルス検査で陽性判定を受けたランビエル・コーチが不在でも、冷静に自身の状態を見極めた。慣れない午前中の試合。直前の6分間練習から、体のキレがないと感じていた。「自分のベストな、納得のいく表現ができないのはわかっていた」。無理して体を大きく動かそうとせず、丁寧に滑り切った。
過去2大会、団体で日本は5位だった。今大会は違う。「前回は、日本が3位以内に入ることは難しいとみんな分かっていた。今回は狙える」と表彰台を視野に入れてリンクに立った。
ミスのない好演技で期待に応え、1番手の重責を果たした。「やるべき責任は全うできた」と力を込めた。頼もしい24歳が、日本に勢いをもたらした。(久保まりな)