北京五輪開幕、人権で米欧と対立鮮明 史上初の夏冬開催

開会式に臨む(左から)トーマス・バッハIOC会長、習近平国家主席=4日、国家体育場(桐原正道撮影)
開会式に臨む(左から)トーマス・バッハIOC会長、習近平国家主席=4日、国家体育場(桐原正道撮影)

【北京=三塚聖平】第24回冬季オリンピック北京大会の開会式が4日夜、北京市の国家体育場(通称・鳥の巣)で行われ、20日までの17日間にわたる雪と氷の熱戦が幕を開けた。北京は2008年に夏季五輪を開催しており、史上初めて夏冬両方の五輪開催都市となった。中国による新疆(しんきょう)ウイグル自治区の人権問題などを理由に、米国や英国が政府首脳を五輪に派遣しない「外交的ボイコット」に踏み切った。強権化が進む中国の習近平政権と米欧の対立が鮮明な五輪となる。

18年の平昌冬季、新型コロナウイルスの影響で1年延期された昨夏の東京に続き、アジアでの五輪開催は3大会連続。91カ国・地域から選手約2900人が参加し、7競技、史上最多109種目でメダルを争う。

開会式では、マスク姿の習近平国家主席と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が距離をとって並び、来場者に手を振った。

中国外務省によると、開会式には各国の国家元首や政府首脳、国際機関幹部ら計32人が出席。関係が比較的良好な国を招き外交的ボイコットに対抗した。出席者には、ウクライナ情勢をめぐって米欧と対立するロシアのプーチン大統領や、1月の反政府騒乱を武力鎮圧したカザフスタンのトカエフ大統領ら強権国家の首脳が多い。バイデン米政権が昨年12月に開いた「民主主義サミット」に招かれなかった面々が目立つ。

日本政府は代表団を送らず、東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長らの出席にとどめた。

中国はコロナ対策として選手ら大会関係者と外部の接触を遮断する「バブル方式」を徹底。チケットの一般販売は行わず、関係者や招待客のみを受け入れる。日本を含め参加者の間で陽性者が連日確認されており、競技や大会運営への影響も懸念されている。

日本は、海外の冬季五輪史上最多となる124選手を派遣。開会式では、ノルディックスキー複合男子の渡部暁斗(北野建設)とスピードスケート女子の郷亜里砂(イヨテツク)を先頭に入場した。開会式に先だって一部競技が行われ、4日には日本が初の表彰台を目指すフィギュアスケートの団体が始まった。

競技一覧

会員限定記事会員サービス詳細