インド外務省は3日、北京冬季五輪の聖火リレーに中国人民解放軍の兵士が起用されることに抗議し、開会式に在中国インド大使館幹部らを出席させない方針を明らかにした。外務省報道官は「五輪の政治利用で全く遺憾だ」と批判した。
中印両軍は2020年6月、インド北部ラダックの係争地で衝突し、インド軍の20人が死亡した。中国軍も少なくとも4人が死亡した。中国メディアなどは、この衝突で負傷した中国人兵士が聖火リレーに参加すると報じていた。
インド政府は人選に反発しており、政府高官はインドメディアに「中国の動きはわれわれの外交的な参加を完全に不可能にした」と述べた。インド公共放送も抗議のため、開閉会式を生中継しないと発表した。
インドからは大会の競技にアルペンスキー男子のカーン選手のみが出場する。同選手の参加に影響はないという。(シンガポール 森浩)