札幌医科大学付属病院 北海道初のエクモカー導入

札幌医科大学附属病院が導入したエクモカーと医療チームのメンバーら=4日午前11時すぎ、札幌市(坂本隆浩撮影)
札幌医科大学附属病院が導入したエクモカーと医療チームのメンバーら=4日午前11時すぎ、札幌市(坂本隆浩撮影)

札幌医科大学付属病院(土橋和文院長)は4日、新型コロナウイルス感染などで重症化した患者に迅速な対応ができるよう、人工心肺装置「ECMO」(エクモ)を搭載した救急搬送車「エクモカー」1台を北海道で初めて導入した。土橋院長は「当面はコロナに感染した重症患者が入院する病院に出向いて当院に搬送する対応を進める。将来的にはDMAT(災害派遣医療チーム)や広域災害対応にも活用していきたい」など医療現場で積極的に活用する考えを示した。

車両は小型トラックがベースで全長6・4メートル、全幅2・1メートル、高さ2・8メートルで車両重量は約6トン。日本財団の助成金(約3900万円)などを活用し、昨年秋に車両を購入。その後、約4000万円をかけて除細動器や画像診断装置の設置などを進めてきた。

エクモカーに搭載された人工心肺装置「エクモ」の説明をする関係者=4日午前11時すぎ、札幌市(坂本隆浩撮影)
エクモカーに搭載された人工心肺装置「エクモ」の説明をする関係者=4日午前11時すぎ、札幌市(坂本隆浩撮影)

同院高度救命救急センターの文屋尚文助教などによると、エクモカーには医師や看護師、臨床工学技士の5人の医療スタッフが乗車。「安全なICU(集中治療室)と同じ環境で、エクモを作動させながら患者搬送が可能。北海道という広大な地域で重症患者に十分な医療を提供できる」と語る。

運用は同センターに勤務する約70人のスタッフを中心に進めるといい、導入初日から重症患者の搬送で出動した。

エクモカーは「動く集中治療室(ICU)」と呼ばれ、一般救急車より車内が広く、重症患者の生命をつなぐ最後のとりでともいわれるエクモなど各種医療機器を搭載。医師や看護師などの医学的管理を行いながら患者を搬送できる。

日本集中治療医学会によると、国内では北海道以外に群馬や栃木、埼玉、岡山、福岡、愛知、神奈川、福島、千葉の9県と大阪府で各1台、東京都3台の計13台のエクモカーが導入されている。

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