「一票の格差」が最大2・08倍だった昨年の衆院選は、投票価値の平等を求める憲法に反するとして、弁護士グループが近畿2府4県の選挙無効を訴えた訴訟の判決が3日、大阪高裁であった。太田晃詳(てるよし)裁判長は「違憲状態」と判断、無効請求は棄却した。
全国14の高裁・高裁支部に起こされた訴訟で3件目の判決。議員1人当たりの有権者数が最少の鳥取1区と最多の東京13区の格差が2・08倍で、高松高裁は「違憲状態」、東京高裁は「合憲」と判断が分かれていた。近畿6府県では、兵庫6区の2・01倍が最大だった。
最高裁は最大格差が2倍を超えた平成21、24、26年の選挙を「違憲状態」と判断した一方、1・98倍に縮小した29年選挙は「合憲」とした。昨年の選挙は、29年と同じ区割りで実施されたが、人口移動によって再び2倍を超えていた。
格差是正のため、国会は28年、人口比を反映しやすい議席配分方法「アダムズ方式」の適用を決定。次回衆院選から、15都県で「10増10減」が行われる見通しだが、自民党内からは異論も出ている。