首相「差別や偏見を助長」 菅直人氏らの「原発事故で甲状腺がん」書簡

衆院予算委の集中審議で答弁する岸田文雄首相=2日午後、国会・衆院第1委員室(矢島康弘撮影)
衆院予算委の集中審議で答弁する岸田文雄首相=2日午後、国会・衆院第1委員室(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は2日の衆院予算委員会で、菅直人、小泉純一郎両氏ら5人の首相経験者が欧州連合(EU)の欧州委員会に、東京電力福島第1原発事故の影響で子供が甲状腺がんに苦しんでいるとした書簡を宛てたことに関し「いわれのない差別や偏見を助長することが懸念されるものであり、適切ではない」と述べ、環境省から風評払拭のための書簡を発出したことを明かした。日本維新の会の足立康史氏への答弁。

首相は菅氏らの書簡について「福島県が実施する県民健康調査で、甲状腺検査で見つかった甲状腺がんについては福島県や国連などの専門家会議により、現時点では放射線の影響とは考えにくいという趣旨の評価がなされている」と指摘。「当該記述は福島県の子供に放射線による健康被害が生じているという誤った情報を広め、いわれのない差別や偏見を助長することが懸念されるものであり、適切ではない」と強調した。

その上で「引き続き科学的知見に基づく知識の国内外への発信を行い、放射線の健康影響に関する風評払拭に取り組んでいきたい」と語った。足立氏は現職の国会議員である菅氏に抗議すべきだと主張した。

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