EVで需要高まる合成樹脂フィルム ウェーブロック、米社に供給

米EVメーカー、リビアンのピックアップトラック「R1T」 (ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー提供)
米EVメーカー、リビアンのピックアップトラック「R1T」 (ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー提供)

合成樹脂の加工、販売を手掛けるウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー(東京都中央区)は、米新興電気自動車(EV)メーカー、リビアン・オートモーティブから金属調の加飾フィルムを受注した。リビアンは環境に配慮した部品や技術の採用を進めており、メッキ加工の代替として加飾フィルムが選ばれた。自動車は電動化でデザインの自由度が高まるとみられており、自動車向けにフィルムの採用を働き掛けていく。

リビアンから受注したのは、スキッドプレートと呼ばれる部品を覆う加飾フィルム。車体が地面に接触した際に車両下部の損傷を防ぐスキッドプレートは、樹脂材にメッキを施すのが一般的だが、メッキに比べ製造時の電力消費が少ないことなどが評価された。

既に昨秋からピックアップトラック「R1T」向けに供給を開始。スポーツ用多目的車(SUV)「R1S」にも採用されている。

ピックアップトラック「R1T」のリアスキッドプレート。ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーの加飾フィルムで覆われている(同社提供)
ピックアップトラック「R1T」のリアスキッドプレート。ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジーの加飾フィルムで覆われている(同社提供)

一方、車載ディスプレーの大型化に対応し、硬度や耐衝撃性を高めた透明多層フィルムを開発した。3月から市場投入する。

EVでは運転席だけでなく助手席にまで広がる一体的な大型車載ディスプレーが増えるとみられている。ただ、ガラスでは曲面的な形状をつくることが難しく、フィルムは傷つきやすいという欠点があった。

新たに開発したフィルムは硬いが割れやすいアクリル樹脂と、軟らかいが割れにくいポリカーボネート樹脂を接合した。硬度を調べる「鉛筆硬度試験」では従来製品の「H」に対し、より硬い「3H」を実現。耐衝撃性も2倍以上に強化した。車載ディスプレーを手掛ける部品メーカーなどに売り込む。

ウェーブロックはメッキの代替となる金属調加飾フィルムなどをトヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズなど国内外の自動車メーカーに納入、売り上げの約半分を自動車向けが占める。デザインの自由度が高まるEVではさらにフィルムの需要が高まるとみており、売り込みを進めている。

(高橋俊一)

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