<独自>石垣市が尖閣諸島で海洋調査 中国公船が領海侵入、妨害目的か

手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄・尖閣諸島(鈴木健児撮影)
手前から南小島、北小島、魚釣島=沖縄・尖閣諸島(鈴木健児撮影)

沖縄県石垣市が31日、同市の尖閣諸島で調査船を使った海洋調査を実施したことが分かった。環境保全のためのデータをとるのが目的で、上陸はせず、海水成分などを調べた。調査の際には中国公船が約4時間にわたり領海侵入し、調査船に接近した。妨害しようとした可能性がある。海上保安庁の巡視船が安全確保にあたり、接触事故などはなかった。市は1日にも会見し、調査概要を明らかにする方針。

尖閣諸島で公的機関が本格的な現地調査を行うのは10年ぶりとみられる。日本の実効支配を示す上でも意義がありそうだ。

関係者によると、石垣市がチャーターした調査船が魚釣島や北・南小島などに近づき、複数の地点で海水サンプルを採取した。中山義隆市長も乗船し、市の行政区域である尖閣諸島を海上から視察した。

今後、東海大の山田吉彦教授(海洋政策)の研究チームが汚染の有無やプランクトンの量などを分析し、水産資源の維持や有効活用に向けた施策につなげる。

公的機関による尖閣諸島の現地調査は、東京都が平成24年、当時の石原慎太郎知事のもとで魚釣島などの購入を検討した際に実施している。この時も上陸はせず、海水サンプルを採取して成分を調べるなどした。

尖閣諸島は24年に国有化されたが、周辺海域に中国公船がひんぱんに出没するようになり、国は安定的な維持管理のためとして漁船以外の船舶が近づくことを原則認めていない。

このため十分な調査ができず、環境保全のための本格的調査を求める声が強まっていた。

今回の調査により、都の調査後の10年間で海洋環境がどのように変化したのか分析が進むとみられる。

調査に際し、中国公船2隻が領海侵入したことを受け、政府は31日、外交ルートを通じて中国側に抗議した。

第11管区海上保安本部(那覇)によると、2隻は中国海警局の3000トン級と5000トン級の船で、31日午前6時25分ごろから相次いで侵入し、調査船の動きに合わせて航行するなどした。このため海保の巡視船が退去要求を繰り返し、調査船との間に入って安全を確保した。

中国公船は午前10時15分ごろに領海外側の接続水域に出た。尖閣周辺での領海侵入は1月15日以来。松野博一官房長官は31日の記者会見で、「誠に遺憾で受け入れられない」と強調した。

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