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化粧直しの「千本鳥居」 春を待つ昇り竜 青森「高山稲荷神社」

冬化粧に優雅な曲線を描く千本鳥居。木製から塩化ビニール製へ替えたことで、風雪に強く手入れが簡単になった =青森県つがる市(萩原悠久人撮影)
冬化粧に優雅な曲線を描く千本鳥居。木製から塩化ビニール製へ替えたことで、風雪に強く手入れが簡単になった =青森県つがる市(萩原悠久人撮影)

山あいに降り積もった雪。連なる鳥居がうねるような朱色の流れとなって銀世界に映える。

青森県つがる市の日本海を望む小高い丘に鎮座する「高山稲荷神社」。鎌倉から室町時代にかけて周囲を統治していた豪族、安藤氏が創建したと言い伝えられている。

古くから五穀豊穣や海上安全、商売繁盛を願う住民の信仰を集め、地元にとっては身近な存在だった。隣の五所川原市出身の太宰治も小説「津軽」の中で、小学生のときの遠足の「高山行き」にふれ「お稲荷さんは有名なものだそうであるが」と記している。

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神社が誇る「千本鳥居」。ずらりと並ぶその姿は竜が天に昇る姿にも例えられる。6代目宮司の工藤均(ひとし)さん(69)は「約40年前、農家が収穫への感謝を込めて奉納したのが始まりと聞いています」と話す。以来、徐々に数を増やし、現在は高さ約2メートルの鳥居が計202基並んでいる。

平成28年の北海道新幹線開業時にJR東日本のポスターに取り上げられ、全国から参拝客が集まるようになった。日本的な美しい景観は海外でも人気が高く、外国人観光客や近くの米軍施設の関係者がよく訪れていたという。

だが、そうした姿もコロナ禍ですっかり見られなくなってしまった。

そんななか、神社では現在、雪や風にさらされ老朽化した鳥居の建て替え作業を進めている。工藤さんは「参拝や祈禱(きとう)をひかえている方もいる。新型コロナの流行が終息に向かい、新たな鳥居でまたお迎えできるようになれば」と話す。

千本鳥居周辺は八重桜が群生する桜の名所でもある。神社に再び多くの人が戻ってくる〝春〟が待ち遠しい。   (写真報道局 萩原悠久人)

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