主張

北京冬季五輪 選手の活躍に光をみたい

北京冬季五輪が2月4日に開幕する。

中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害や香港での民主派排除など、政治的な問題が祭典に影を落としていることは極めて残念だ。

北京中心部など3カ所の選手村はすでにオープンしており、日本選手団の一部が入村した。

本来、注目されなければならないのは選手たちだ。120人を超える日本代表選手は、本番で感動や興奮というスポーツの醍醐味(だいごみ)を発信することで、大会の主役を取り戻してもらいたい。

前回の平昌大会で日本選手団は金メダル4個を含む冬季史上最多のメダル13個を獲得した。東京五輪に向けて大きな弾みをつけたことは、記憶に新しい。

東京五輪後、わずか半年で迎える異例の冬季大会だ。東京での日本勢の活躍は、スポーツを通じて人々が感動と興奮を分かち合えるという、貴重な財産を残してくれた。東京大会に劣らぬ熱戦を、日本勢には求めたい。

役者はそろっている。フィギュアスケート男子では羽生結弦に大会3連覇の期待がかかる。日本選手団主将でスピードスケート女子の高木美帆は、複数種目での金メダル獲得が楽しみだ。コロナ禍の「第6波」で、よどんだ空気が世の中を覆う時期だからこそ、明るい話題を届けてほしい。

冬季五輪には温暖化の影がつきまとう。大会組織委員会や中国メディアは、同一都市で夏・冬の五輪が開かれる初めてのケースになるとして、自賛含みの宣伝を繰り返してきた。現実はどうか。

アルペンスキーが行われる北京市延慶区は、冬場の降雪量がロンドンやパリより少ない。競技会場は人工雪に頼らざるを得ないが、大量の水が用いられるため、環境への負荷も懸念される。冬季五輪の持続可能性に、新たな道筋を示す大会とはなり得ない。

ウォータールー大学(カナダ)などの国際研究チームは先日、看過できない調査結果を公表した。温室効果ガスの排出が続く場合、北京を含むこれまでの冬季五輪開催21都市のうち、今世紀終盤に再び「公平、安全な状況」で開催できるのは札幌市だけだという。

札幌は2030年大会の招致に手を挙げている。環境とどう折り合いをつけ冬季五輪の火を守るのか。北京を反面教師に明確な指針を世界に打ち出す責任がある。

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