サッカー通信

主力の欧州流出が相次いだJ1、優勝争いを左右しそうな強化担当者の手腕

ヒバーニアン戦の前半、競り合うセルティックの前田(右手前)。奥は旗手=グラスゴー(共同)
ヒバーニアン戦の前半、競り合うセルティックの前田(右手前)。奥は旗手=グラスゴー(共同)

サッカーのJ1から昨季終了後も多くの実力者が欧州へ旅立っていった。選手がレベルの高い舞台でのプレー機会を求めるのは当然な一方、チームの主力を抜かれるクラブ側は戦力を維持するために臨機応変な対応を求められる。今季のJ1で優勝を狙う強豪も例外でなく、チーム編成を含めた総合力が覇権争いを左右しそうだ。

J1を2連覇中の川崎からは、大卒2年目で24歳の旗手がスコットランド・プレミアリーグのセルティックへ移籍した。前線、中盤、最終ラインも高レベルでこなした万能選手は川崎連覇の立役者の一人。川崎からは昨季中にやはり大卒2年目で24歳の三笘と下部組織上がりで当時22歳だった田中も欧州クラブへ移籍している。

昨季開幕時は戦力だった複数の日本代表クラスを欠くのはいくらタレント豊富な王者といえども苦しく、川崎の強化責任者である竹内弘明強化本部長は「芽が出てきた選手をもっていかれる」と頭を悩ませる。

昨季のJ1で2位に食い込んで今季も川崎追撃の有力候補と目される横浜Mからは、昨季に23ゴールで得点王に輝いた24歳の前田が旗手と同じくセルティックへ移籍した。自慢のスピードを生かした決定力と前線からの激しいディフェンスはチーム戦術の肝でもあっただけに、穴を埋めるのは容易ではないだろう。

旗手と前田以外にも鹿島から24歳の町田、FC東京から24歳の渡辺と22歳の田川、G大阪から25歳の井手口、C大阪から25歳の坂元と21歳の瀬古らが欧州に新天地を求めた。いずれも各クラブで不可欠な戦力として活躍していただけではない。年齢的に伸びしろを残し、クラブとしては中心選手として長くチームを引っ張ってもらいたいと期待していた逸材たちだった。

鹿島に20個の主要タイトルをもたらして昨シーズン限りで強化責任者のフットボールダイレクターを退任した鈴木満氏は、選手の欧州挑戦を「時代の流れだし海外にいくのはいい」と受け入れつつ、「育ててチームの中心になった選手を引き抜かれる」と苦しい胸中を明かす。

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