ソウルからヨボセヨ

旧正月プレゼントの政治学

韓国の旧正月「ソルラル」には贈答品が行き交う。今年のソルラルは2月1日で、このところ百貨店やスーパーの贈答品コーナーは大にぎわいだ。従来、牛肉セットなど食料品が中心だが、近年は健康食品やワインなどが目立つ。

大統領府からも毎年、各界に大量の贈り物が届けられ、中身は食料品や酒など地域の名産物が多い。1990年代の金泳三(キム・ヨンサム)大統領時代、煮干しが送られてきて「ええっ、大統領からダシジャコ?」と首をかしげ、韓国人の知り合いに回したのだが、肉ダシ中心の韓国で煮干しは貴重なんだと喜ばれた。大統領の故郷が煮干しの名産地だった。

2000年代の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代、各地の銘柄米を500グラムずつ景勝地の絵柄入りの箱にパックしたものが送られてきた。実用的でカワイイので「盧政権の久しぶりのヒット」と書いたところ大統領府から抗議がきた。「盧政権評価にそんなことしかないのか!」と。

今回、大統領府から「独島(トクト)」(竹島の韓国側呼称)の絵が入った箱で贈り物が各界に届けられ日本側で不興を買っている。これは先年、当時のトランプ米大統領の歓迎晩餐(ばんさん)会でわざわざ〝独島エビ〟なるものを出したのと同じ手口だ。こうした子供だましのような反日愛国演出が、日本での文在寅(ムン・ジェイン)大統領の評判を悪くし続けている。(黒田勝弘)

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