米の対露制裁 最終手段は決済網からの排除

【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権はロシアがウクライナに侵攻した場合の対抗策として、幅広い対露制裁案を検討している。金融制裁や輸出規制を柱とし、最も深刻な影響を及ぼす最終手段が、ロシアを国際資金決済網から排除する強硬策だ。ただ、いずれの手段も、欧州など関係国が同調しなければ効果がそがれる恐れがある。

「極めて強力な兵器となるのは疑いようがない」

ジョンソン英首相が対露制裁案として米国と検討していると述べたのが、国際銀行間通信協会(SWIFT・本部ベルギー)からロシアを排除する手段だ。

SWIFTは200以上の国・地域の金融機関1万社以上が参加し、送金や決済に必要な通信網の管理を担う。ロシアの金融機関はアクセスを遮断されれば外貨を受け取れなくなり、天然ガスなどの資源輸出を屋台骨とするロシア経済は、深刻な打撃を受ける。

ただ、25日に制裁案を報道陣に説明したバイデン政権高官はSWIFT案に触れなかった。断行すればロシア企業と取引する欧州の金融機関にも多大な影響が及ぶため、関係国の足並みがそろわない「現時点では有力手段ではない」(米メディア)とされる。

一方、米国が独自にできる金融制裁の一つが米ドル決済を禁じる手だ。ドル取引は最終的に米金融機関を通じて決済されるため、米政府が米銀行に取引を禁じれば「(ロシアの)銀行はドル取引できなくなる」(バイデン米大統領)。

どのような制裁が実際に発動されるか不明だが、米政権高官は、露通貨ルーブルの急落や露企業の債務不履行(デフォルト)を招く「深刻な経済的影響」を与えると警告している。

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