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正論

危機こそ成長への改革の好機だ 政策研究大学院大学特別教授・大田弘子

参院本会議で施政方針演説を行う岸田文雄首相=17日午後、国会・参院本会議場(矢島康弘撮影)
参院本会議で施政方針演説を行う岸田文雄首相=17日午後、国会・参院本会議場(矢島康弘撮影)

なぜ回復力が弱いか

国際機関の見通しによれば、今年の日本の経済成長率は、米国やユーロ圏に比べて低い。昨年は、かなり低い成長率だったから、その反動で高くなりそうなものだが、今年の予測もまた低く、わが国の危機からの回復力の弱さを示している。コロナ対策として巨額の財政支出を行ってきたのに、なぜ回復力が弱いのか。今年の経済政策は、この点を十分に考える必要がある。

政策研究大学院大学特別教授、大田弘子氏
政策研究大学院大学特別教授、大田弘子氏

理由の第一は、コロナ対策が当面の支援策に集中し、ポストコロナの成長につながる政策が弱すぎることだろう。危機のときは、市場構造や産業構造が大きく変わる。これに合わせて、事業者の体質強化や、転業支援のための政策が必要だが、こうした中長期の視点があまりにも欠けている。

第二は、コロナ以前からの改革の遅れが、ここへきて一段と成長の足を引っ張っていることだ。デジタル化の遅れがその最たるものである。デジタル化、グリーン化、働き方の変化など、コロナ禍で加速した動きは、すでにその前から重要課題になっていた。

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