鬼筆のスポ魂

中田は太り、清宮はやせた…崖っぷち2人の今季は果たして

石垣島での自主トレを公開した巨人・中田翔。
石垣島での自主トレを公開した巨人・中田翔。

太るべきなのか、それとも痩せなければいけないのか…答えはいったいどっちなんだ! プロ野球の同じ球団で同じポジションを守っていた2人の選手の現状を見ると、どっちが正解なのか…と首をひねる野球ファンも多いのではないか。

その2人とは巨人・中田翔内野手(32)と日本ハム・清宮幸太郎内野手(22)だ。昨季の8月20日、無償トレードで巨人に移籍するまで中田は日本ハムの正一塁手。一方の清宮は2018年のドラフト1位で日本ハムに入団。中田からポジションを奪い取ろうとするもはね返され続けてきた。

中田は昨季、暴力事件発覚で無期限謹慎処分を受けて、その後に巨人に〝拾われる形〟で移籍したが、移籍後の成績は34試合出場で打率1割5分4厘、3本塁打、7打点という不甲斐ない成績。オフの契約更改では減額制限を超える56%減(1億9千万円減)の年俸1億5千万円(推定)でサイン。今季は野球人生を賭けたシーズンだ。清宮も昨季は1軍での試合出場はなし。プロ入り5年目の今季は正念場を迎える。

剣が峰の2人だが、自主トレの様子を見ると全く別の道を歩んでいるように思う。中田は沖縄・石垣島で同僚の秋広優人内野手らと自主トレを行い、25日にキャンプの荷物出しのため姿を見せたジャイアンツ球場で17キロも体重を重くしたことを明らかにした。

「体重も去年は最後の方は92キロぐらいだったんですかね。今は109キロぐらいまで戻ってきました」という。ぶ厚くなった胸板やボリューム感は他を圧倒する迫力を醸し出していた。

清宮は全く正反対…。昨秋のキャンプで「ビッグボス」こと新庄剛志新監督に脇腹を摘ままれ「ちょっと太ってない?」と減量を勧められた。自主トレはソフトバンク・柳田らと佐賀県内で行った。ビッグボスの言いつけを守り、「まあ、(昨秋の)キャンプの時よりは減っています」と103キロから9キロ減の94キロになったことを明らかにした。「動きやすいですね。あんまり疲れもない」と早くも減量効果を口にしていた。

大人のみならず、全国の野球少年たちにはさまざまな体形の人がいる。太った人や痩せてる人…。中田の増量作戦と清宮の減量作戦を聞くと、野球をする上ではどっちが正解なのか、シーズンでの成績を早く見てみたい…と思うのではないか。

どっちが正解と判定するわけではないが、中田と清宮の〝体重問題〟の謎を解くカギは中田自身の言葉の中に秘められているのかも…。それは「今は109キロぐらいに戻ってきた」という部分。中田は昨季、さまざまな心労から体重が減り、戦っていく上で必要な筋力まで落ちた。17キロ増は、143試合を戦い抜くための筋肉を戻した結果が体重増となっただけだ。

ある球界OBは増量の経緯を前向きに捉えていた。

「中田は昨季、腰痛に悩まされていた。体重を増やせるのは腰の心配がなくなったからだろう。遠くに飛ばす能力はある。下半身に力が戻れば、必ず復活するだろう」と言い切った。

一方の清宮だが、ビッグボスは彼のユニホーム姿を一目見て、本物の筋肉がついておらずぜい肉が多いと直感したのだ。天性の打撃力はあっても体が、特に下半身が出来上がっていないと一目で見抜いた。一度、無駄な肉をそぎ落し、鍛えながら、再び体を作り上げるべきだ…と感じたのだ。減量指令は本物の体を作る過程のひとつだと捉えればいい。ただ「痩せろ」と言っているわけではなく、本物の筋肉がついた100キロオーバーならビッグボスはわが意を得たり…とほくそ笑むだろう。

日本ハムで同じポジションだった中田と清宮。2人の復活ロードも週明けの2月1日から始まる春季キャンプの注目点のひとつだ。

(特別記者)

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