抗体カクテル療法「ロナプリーブ」オミクロン株で有効性低下 東大など解析

新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

東京大などの研究チームは27日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として国内で使用されている抗体カクテル療法「ロナプリーブ」のカシリビマブとイムデビマブについて、新変異株オミクロン株に対する有効性が著しく低下していることを細胞実験で確認したと発表した。一方、別の中和抗体薬のソトロビマブや、抗ウイルス薬のレムデシビルとモルヌピラビルについては有効性が確認されたという。

ロナプリーブをめぐっては、厚生労働省は昨年12月、オミクロン株に対する有効性が1千分の1程度に低下している可能性があるとしてオミクロン株感染者への使用を推奨しないと公表している。

ロナプリーブはカシリビマブとイムデビマブの2つの抗体を組み合わせて使う。これに加え、国内ではソトロビマブが中和抗体薬として承認されている。

チームはそれぞれの抗体について、オミクロン株の培養細胞への感染を防ぐ効果を分析。その結果、従来株と比べ、カシリビマブは5千倍、イムデビマブは5万倍以上、それぞれ効果が弱まっていた。一方、ソトロビマブは14倍の低下にとどまったという。

中和抗体薬はウイルス表面のスパイクタンパク質に結合して効果を発揮するが、オミクロン株はスパイクに約30箇所もの変異を有しており、効果の低下が懸念されていた。

またチームは、新型コロナ向けの抗ウイルス薬として国内で承認されているレムデシビルとモルヌピラビルについても有効性を解析。いずれも培養細胞でのオミクロン株の増殖を従来株と同程度に抑制する効果が確認されたという。

チームの河岡義裕・東京大特任教授は「どのような変異株にも有効な抗体治療薬や経口薬剤の開発を加速する必要がある」と指摘している。

今回の研究成果は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン電子版に掲載された。

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