米、露要求に文書で回答 国務長官、対話か侵攻か「準備はできている」

米ワシントンで話すブリンケン国務長官=26日(AP=共同)
米ワシントンで話すブリンケン国務長官=26日(AP=共同)

【ワシントン=大内清】バイデン米政権は26日、ウクライナを軍事的に威圧するプーチン露政権から突きつけられた北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大などの要求に対し、米国の立場を文書で回答した。ブリンケン国務長官は同日の記者会見で「NATO加盟を望む国々に門戸を開くとの原則に変わりはない」と強調。ロシアが対話かウクライナ侵攻のどちらを選んだ場合でも「準備はできている」と述べた。

文書による回答は、21日にジュネーブで行われた米露外相会談で取り決められたもので、サリバン駐露米大使がロシア側へ手渡した。NATOも26日、ロシアに回答文書を送付した。

プーチン政権は昨年12月、NATOをこれ以上東方に拡大しないとの確約や、米国がNATO非加盟の旧ソ連構成国と軍事協力を行うことの禁止、東欧からのNATO兵力の撤収などを柱とする条約・協定案を米国とNATOに提示。バイデン政権は、これらの要求に応じることはないとする半面、米露双方の安全保障上の懸念軽減に向けて軍事演習や軍備管理のあり方などに関しては協議の準備があるしており、今回の回答でも同様の立場を示したとみられる。

ブリンケン氏は「文書の公開はしない」として詳細への言及は避けつつ、「ボールはいまロシア側にある」と述べ、プーチン政権が緊張緩和に向けた対話に前向きな姿勢をみせることに期待感を示した。

バイデン政権は、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切った場合、ロシア経済に大打撃を与える金融制裁や輸出規制を発動すると発表しているほか、プーチン大統領個人を対象とした制裁措置も検討。昨年12月にはウクライナの防衛力強化のために2億ドル(約227億円)の軍事支援を追加承認し、対戦車ミサイルなどを含む軍事物資の供与を始めている。

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