EU、中国のリトアニア貿易報復でWTOに提訴

欧州連合(EU)本部=ベルギー・ブリュッセル(ロイター)
欧州連合(EU)本部=ベルギー・ブリュッセル(ロイター)

【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)欧州委員会は27日、中国がリトアニアに課している貿易規制は、世界貿易機関(WTO)の協定違反だとして提訴したと発表した。リトアニアは昨年11月に「台湾」の名を冠した代表部設置を受け入れた後、中国の経済圧力にさらされており、欧州委はEU単一市場にも影響が及んでいると主張している。

欧州委は声明で、中国がリトアニア発の輸入品の税関手続きを拒否しているうえ、EU企業が中国に輸出する際、供給網からリトアニア製品を外すよう圧力をかけていると主張した。中国はリトアニアに対する貿易規制の存在を認めていないが、声明は「さまざまな証拠がある」と明記した。

中国は、リトアニアが「台湾」の名称を認めたのは「一つの中国政策に反する」と強く反発してきた。リトアニアの輸出額全体に占める中国の割合は約1%にとどまるが、経済報復の打撃は、リトアニアと取引のあるEU企業に拡大。ドイツの自動車部品大手「コンチネンタル」は、リトアニア製部品を使用しないよう圧力を受けたと報じられた。

WTOの紛争解決手続きによれば、欧州委と中国は今後、2国間協議に入る。60日以内に解決できなかった場合、欧州委はWTOに紛争処理小委員会(パネル)設置を要求できる。日本を含め、中国と国交を持つ国では通常、台湾当局の代表部に「台北」の名称が使われている。

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