鑑賞眼

80年代アイドルは永遠 松本明子企画でコンサート

1980年代アイドルソングを歌う松本明子、森尾由美、浅香唯、西村知美、布川敏和(左から)=東京都葛飾区(提供、撮影・GEKKO)
1980年代アイドルソングを歌う松本明子、森尾由美、浅香唯、西村知美、布川敏和(左から)=東京都葛飾区(提供、撮影・GEKKO)

歌手でタレントの松本明子(55)が企画したコンサート「アイドルうたつなぎ」が、1年越しで実現した。昨年1月開催の予定が、コロナ禍で延期になっていた。

松本は一昨年、「おうち時間を楽しんでほしい」とデビュー曲「オス・メス・キス」を一人で歌った動画をSNSに投稿した。同時代を過ごしたアイドル歌手仲間らが後に続き、オンライン上で歌のバトンリレーが行われた。

この連携を、いわば実際の形にしたのが、このコンサートだ。ステージには松本のほか、松本と同じ1983(昭和58)年にデビューした森尾由美(55)、1年先輩で元シブがき隊の布川敏和(56)、85(昭和60)年デビューの浅香唯(51)、86(昭和61)年デビューの西村知美(50)が登場。5人は、松田聖子や中森明菜ら「1980年代アイドル」たちが残した、きらぼしのようなヒット曲を時代順に歌いついだ。

ピンクや黄色をあしらった80年代風デザインのステージにはスツールが用意され、自分が歌う順番が来るまでは座って過ごすなど5人はくつろいだ雰囲気でショーを進めた。当時を振り返るトークも盛りだくさんで、布川が爆弾発言も交えるなど観客を楽しませた。その観客は、ほぼ全員、当時のファン世代。

意外なことに松本は、アイドル時代も含めてこれが初のコンサート。また、布川もシブがき隊の解散コンサート以来「33年ぶりのコンサート」で、森尾も「不安だった」と語るなど、それぞれ緊張を隠してもいたようだ。

そのせいもあり、歌唱は安定感に欠いたが、当時を知り、かつ今日まで生き抜いてきた5人。日本のスタンダード曲ともいうべき存在になった80年代のアイドルソングを現代に伝えるのに、これほどうってつけの人選はない。

松本はデビュー時の衣装を着用したり、他の歌手の歌の後ろでハーモニーをつけたりと、企画者として懸命にステージに取り組んでいた。

ようやく実現できたコンサートだが、オミクロン株の影響で新規感染者数が爆発的に増加する最中だ。観客は、前後左右をあけた市松模様で着席。松本は「胸を張って会場に来てくれとはいえなかった。来場を見合わせた知人もいる。つらかった」と唇をかんだが、「今後、2回、3回と続けていきたい」と希望を語った。

コロナ禍の今、人々を幸せな気分にする職責を再び果たそうとする。彼らは元アイドルではなく、永遠にアイドルなのだ。

「松本明子 presents 黄金の80年代 アイドルうたつなぎ ~うれしなつかし胸キュンコンサート~」23日午後1時半から、東京都葛飾区のかつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホールで。2時間10分。なお、1月28日から1週間、有料配信も行う。視聴チケットはイープラスで販売。(石井健)

公演評「鑑賞眼」は毎週木曜日正午にアップします。

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