陸上長距離シューズの「ナイキの厚底1強」に変化が訪れている。昨年、アシックスは厚底タイプの新作「メタスピード」を発売。新春の東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)では20人を超える選手が着用した。30日に開催される大阪国際女子マラソンでもペースメーカーの川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)をはじめ、複数の選手が着用予定だ。「ランナーの走りに合う靴を選んでもらう」をモットーに開発を続けてきた国内メーカーの、威信をかけた巻き返しが始まっている。
1月2、3日に開催された第98回箱根駅伝では、これまでのナイキ一色とは打って変わり、別のメーカーのシューズを着用する選手の姿が見られた。中でも大きな変化があったのはアシックスだ。
シューズアドバイザーの藤原岳久(たけひさ)さんによると、昨年の出走者210人のうち、95・7%の201人がナイキのシューズを着用。一方でアシックスの着用者はゼロだった。それが今年になるとナイキの着用率は73・3%に低下し、アシックスは11・4%の24人と大きく巻き返した。藤原さんは「学生は同じシューズを履き続けることが多い。来年以降、アシックスを履く選手は増えるのではないか」と話す。