赤の広場で

ウクライナ危機に願う

親ロシア派勢力の支配地域近くで警備するウクライナ軍兵士=21日、ウクライナ東部ドネツク州(AP=共同)
親ロシア派勢力の支配地域近くで警備するウクライナ軍兵士=21日、ウクライナ東部ドネツク州(AP=共同)

ロシアによるウクライナ侵攻の懸念が強まり、胃の痛い日々が続いている。北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大の確約を求めるロシアに対し、米国は週内にも回答を示すが、NATO不拡大の確約には応じない構えだ。ロシアは要求が拒否された場合、「軍事技術的な措置」を取ると警告している。

侵攻の有無に関しては、露専門家内でも見解は食い違う。プーチン大統領は危機を演出して米国から譲歩を引き出そうとしているにすぎず、経済制裁などのリスクが大きい侵攻は決断しない-との見方を示す識者は多い。他方、ロシアが米国の回答を「欧米側の責任で交渉が決裂した」と宣伝する材料に使い、それを口実に侵攻に踏み切る-との観測も強い。

知人の一般のロシア人らに尋ねると、みな戦争に反対していた。「ウクライナ人に親戚を持つロシア人も多いのに、なぜ戦う必要があるのか」「予算を戦争などではなく国民の生活向上に回すべきだ」などなど。「戦争を始めればロシアを見限って他国に移住する」と話す20代の女性もいた。

戦争は勝敗にかかわらず敵意と憎しみを残す。子供ら弱者の命を奪うだけでなく歴史的な文化財や建築物も破壊する。経済制裁で苦しむのは国民だ。プーチン氏が賢明であることを願いたい。(小野田雄一)

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