北川信行の蹴球ノート

オミクロン株猛威の中の厳戒キャンプで目指すチームづくり

沖縄キャンプでオンライン取材に応じるガンバ大阪の片野坂監督(ガンバ大阪提供)
沖縄キャンプでオンライン取材に応じるガンバ大阪の片野坂監督(ガンバ大阪提供)

サッカーJ1の各クラブは2月18、19日の新シーズン開幕に向け、キャンプでチームづくりに取り組んでいる。長いシーズンを戦い抜くための基礎体力を積み上げたり、ベースとなる戦術を定めて選手同士の連係を深めたりする重要な時期だが、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染が拡大する中、キャンプの一部を取りやめたり、キャンプ地を変更したりすることを余儀なくされたクラブも。長引く新型コロナウイルス禍が今季も影響を及ぼしている。昨年に引き続き、ほとんどが無観客のキャンプで、どのクラブも宿泊先での選手の部屋の行き来を原則禁止とするなどの徹底した感染予防策を講じている。関西のJ1クラブのキャンプの状況をまとめた。

京都サンガ=ジェネレーターが〝発電〟

12年ぶりにJ1の舞台で戦う京都サンガは1月17~30日の日程で沖縄キャンプを実施。すでにトレーニングマッチも行い、2季目の指揮を執る曺貴裁(チョウキジェ)監督は「(得点も)意図的に崩していくのが多かったし、挑戦できたのが非常に良かった」と手応えを口にする。目指しているのは、昨季のJ2で披露してきた切り替えの速さやボール回収能力の高さをどうゴールに結びつけるか。「多種多様に、どこからでも攻撃できる」(曺監督)形をつくろうとしている。

指揮官は「アドベンチャープッシュアップという言葉を使っている。冒険するためにどうしたらいいのか。(今季のチームスローガンである)アドベンチャーにかけて、すべておさえ込んでいる」と説明する。さらには、チーム内にキャプテンや副キャプテンとは別に「ジェネレーター」の役職を創設。今年の京都サンガのサッカーを〝発電〟していく選手のことで、DF白井康介とMF川崎颯太を任命した。曺監督は「電気は雨が降ろうが、雷が鳴ろうが供給し続けなければならない。(どんな状況でも)チームの中で伝えていける選手」と解説した。

セレッソ大阪=新たな背番号8に期待

1月16~21日に予定していた沖縄キャンプを取りやめたセレッソ大阪は本拠地の大阪でトレーニングを行った後、23日に宮崎キャンプを開始。2月5日までの日程で、チームのベースアップを図る。昨季途中に就任した小菊昭雄監督は「攻守のゲームモデルを全員で共有し、落とし込んでいきたい。連係のクオリティーを高めていきたい」とキャンプの重点を語る。

14日の新体制発表会見後に、東京五輪代表DFの瀬古歩夢がグラスホッパー(スイス)へ移籍。育成年代からセンターバックでコンビを組んできたDF西尾隆矢は「少し寂しいが、僕がセレッソを引っ張っていけるように、歩夢にいい刺激を与えられるようにしたい」と決意表明した。注目は「ミスター・セレッソ」と呼ばれた森島寛晃社長をはじめ、香川真司(シントトロイデン)や柿谷曜一朗(名古屋グランパス)らクラブを代表する選手がつけてきた背番号8を背負うことになった乾貴士。昨季途中にセレッソ大阪に復帰し、昨年11月に右膝の手術を行ったが、既に練習のフルメニューを消化できるまで回復。指揮官は「昨年は満身創痍(そうい)でチームのために戦ってくれた。手術をしたことで、痛みが全くない状態。(背番号8を背負うことに)相当な覚悟を持ってくれている。セレッソの歴史を見てきて、強い思いを感じる。チームの先頭に立って引っ張る気持ちを持ってやってくれている」と期待を寄せた。

ガンバ大阪=「カタノサッカー」浸透図る

昨季の天皇杯全日本選手権で大分トリニータを決勝に導いた片野坂知宏監督が就任したガンバ大阪は1月18~29日の日程で沖縄キャンプを実施。「強いガンバを取り戻す1年にしたい」と意気込む指揮官は「やりたいサッカーは、ボールをしっかりつないで攻撃を構築すること」と話す。

今は、実戦形式の練習を行いながら、段階的に積み上げていっているところ。大分時代に培ったボールをつないで攻撃を組み立てるスタイルを大事にしつつ、指揮官は「クオリティーを持った選手がいるので、基本的な攻撃の狙いは意識してやってほしいが、決めすぎてもいけない。バランスは考えながら、選手の良さが出るように考えたい」と強調する。

昨季は6得点に終わった宇佐美貴史については「30歳になっても日本代表に入ってほしい。ワールドカップ(W杯)にも行ってほしい。2桁得点に絡むことがチームが上位で戦える要因になる」と復活を切望。「(片野坂監督の)話す言葉一つ一つに重みを感じるし、熱量を感じた。もっと後ろのサポートに回ってもいいと言われたのは新鮮だった」と印象を話した宇佐美も「2桁を目指している。ゴールもそうだし、アシストもそう。数字とプレーの内容で(チームを)引っ張っていきたい」と今季にかける思いを口にした。

ヴィッセル神戸=沖縄から和歌山へ

昨季のJ1で3位に入り、今季はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も戦うヴィッセル神戸は1月24日~2月4日に予定していた沖縄キャンプを取りやめ。新たに場所を探し、完全非公開で1月24日~28日は和歌山、1月30日~2月5日は本拠地の神戸でキャンプを実施することにした。

3季目となる三浦淳寛監督は16日の新体制発表会見で「昨年は練習は嘘をつかないと感じた一年だった。昨シーズン以上の成績を出せるようみんなで頑張っていきたい」と話した。

※ヴィッセル神戸は24日時点でキャンプ関連は未取材なので、後日に改めて執筆します。

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